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10月, 2024の投稿を表示しています

日記:彗星症候群

  公園で選挙の演説をしていた。人が居るとああいうことができるらしい。人が居ないとどうなるのか? 選挙カーのほうから来る。中身が降りてきて、どうぞよろしく、とか言いに来る。昔は危ないおじさんだと思っていたが、ある時、政治家の一種らしいということに気付いた。管理人はというと、送迎を待っていた大きめの駅の前で市議会選の候補者を論破してしまってから、投票というものは慎重にしないといけないんだなと思っている。見るからにダメそうな人を落とすために、マシな人を選ぶ必要があるというか。  それはともかく、選挙というものに初めて行く。日本は民主主義らしいので、二重国籍保持者(仮)としては権利を行使しないわけにはいかない。隣国が傾いても困るからな。昔は若かったので、政治家になれば日本の環境くらいは改善されるのでは? とか思っていた時期もあったが、どうやら政治はまぁまぁ面白いが政治家の社会は楽しいものでもないらしいということに気付いてから、ただの有権者でいることにした。新聞は偉大(な面もある)。  そんなわけで地上はゴタゴタしているが、夜空では8万年に1回の天体ショーが絶賛開催中らしい。今回近付いているのは紫金山・アトラス彗星という星で、太陽に接近するのは8万年振りということだ。ただし、惑星などの引力の影響を受けて軌道が変わったので今後は太陽系の外に出ていってしまい、戻ってくることはないらしい。今回で崩れてしまう可能性もあるらしく、ダイナミックながら儚い存在だと思う。  そもそも星空の輝きというものが、江戸時代に光ったものが今届いているというようなものだ。光の速さで何十、何百年という遥かな宇宙の向こうで、核融合反応によって燃え続ける星々の、遠い昔の輝きを見ている。夜空のきらめきは化学的なガスの爆発である一方、空間が隔てて時間が繋げる恒星からのメッセージのようでもあると思う。初めまして、はるばる地球へようこそ。  底なしにも思える暗い宇宙の果て、輝く恒星の盛大な化学反応が起き続ける遠い銀河、広大な太陽系、その中にぽつんと浮かぶ水の惑星である46億歳の地球、そして8万年の時を経て再会した彗星、……我々人間のなんとちっぽけなことだろうか。高々100年ほどの寿命しかない内の20年くらいしか生きていない1生命体が悩んでいたって意味はないんだろうなと思いつつ、なんか年金とか払わないといけないらしい

日記:生物屋と倫理

  オカヤドカリを食べたユーチューバーが炎上している。それ自体は自業自得だろ、としか思っていなかったが、その流れでオカヤドカリの飼育法について調べていて、ある販売業者のホームページにたどり着いた。その業者は飼えなくなったオカヤドカリを浜に返す活動(里帰り)をしているらしく、それについて反論してきた人とのやり取りを載せているページがあった。  相手の人は文章の書き方や主張の根拠については不思議な部分もあったが、しかし、まあ言っていることは分かった。確かに、里帰りは返す場所を間違えれば遺伝的に生態系の攪乱に繋がる。完璧に個体と出身を特定できるものでもないだろう。さらに、人間が一定期間育てた生物を野生に返すことは、自然に(いらない方向性で)人為的な影響が及んでいる状態ともいえるかもしれない。ということは、採らないで済むならその方がいいということもいえる。  ただ、こういう生態系への悪影響とかいう科学的なデータに基づく環境全体の価値に関わる話をしておいて、小さな命という言い方をするのはどうなんだろうか、と思う。またこれは俺のエコファシズム的側面が出てしまう悪いところだが、命に大小なんてないし、そもそも命って何なんだよとも思う。確かに、オカヤドカリを捕まえてきて飼うのは人間のエゴだ。しかし、我々人間は日々生物を殺して生きている。優先度というものはもちろんあるが、それはどこまでが許されるラインでどこまでが許されないラインなのだろうか。  生物を飼うことが趣味の人が一定数いる。植物も生物なので、一般のイメージとは違うかもしれないが、俺もその一人だと思っている。趣味なので当然衣食住に比べれば優先度は低く、その程度のことに生物を利用するなという意見もあるかもしれない。しかし、その殺すなという倫理も人間が言う限りは人間の倫理でしかなく、殺さないで納得するのは人間だけである……いや、それが人間の社会に必要なのか。この辺は2年環境学をやってきて、仕方ないのかなと思えるようになってきた。所詮、この社会は人間の社会であり、人間のためのルール、倫理、考え方を必要としている。その違和感は忘れないようにしたいが、実際問題はそんなところである。  趣味で生物を殺すことに関しては、俺の植物採集だってそうだろう。ガーデニングで雑草を抜くのもそうだし。ただ、ガーデニングに関しては人間にとっての環境の改善とい