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1月, 2025の投稿を表示しています

日記:許容されない人間

 朝、大学に向かっていたら、全く面識のない通行人に「死んでほしい、早く死んでほしい」と言われた。言われたというか、吐き捨てられた。近くに他に人がいたでもないし、通行人は普通にこちらを向いていたので、どうも管理人が言われたらしい。ちょっとフリーズしたが、頭の中には「そうですよね、すみません」しか浮かばなかった。しかし大学には行かないといけないし、とりあえずまた歩き始めた。通行人はとっくに歩き去っていた。  やっぱりだめなのか、と思って悲しくなった。死んだら全てが解決する気がしていた(前)管理人はもういないはずだし、このところはちゃんと生きることに希望を持ち、意味を考え、論理的に生きていたはずだ。でも、やっぱりだめなのか。誰かに少し干渉されただけで、崩れるようなものなのか。そういう思想の脆さが悲しかったし、死なないといけないこともある気がするのが悲しかった。今まで積み上げてきた色々な思考は、言い訳に過ぎなかったのだろうか。本当は、まだ根本的な問いに向き合えていなかったのだろうか。  許容する社会と人間がある一方で、そのすぐ裏側には許容しない社会と人間がいる。管理人は、彼に何をしたのだろうか。特に思い付かない。しかし、例えば彼がエコ・ファシズム的な考えの支持者だったとしたら、生産性がなさそうな大学生の管理人を見て殺意が湧くかもしれない。いや、そんなことは関係ない。謎の許容にも意味なんてないのだから、謎の不寛容にも意味なんてないだろう。ただ、管理人に死んでほしいと思う人がそこにいただけだ。そして、管理人が今まで作ってきた哲学のようなものが、また崩れてしまっただけだ。仕方ない。  ただ今回は、やっぱりもう少し生きていたいと思って泣いていた。自分の理念が破壊されたあとでも、死にたくないと思った。自分の中で反響する「死んでほしい」と「死んだ方がいい」に抵抗した。思想が破壊され尽くしたわけではなかったのだろう。いや、そうそう破壊されても困る。今回は、あれだけ時間をかけて形にして、体裁を整えて丁寧に保管してきたのだ。一言二言で粉砕されるものではない。ちょっと欠けたし、それは悲しいけど。まだ死にたくない。生きる価値があるとは言っていない。でも、まだ死にたくない。  生きることはほとんど完全な不条理だ。生きることに理由なんてない。あってもそれは、形容的な遺伝子の呼び声でしかない。社会とか...

  管理人の愛は重いらしい。時々言われるので、そうなのだろう。しかし、80億の人間ともっと多くの生物、地球環境、それに自分のと他所の創作キャラの絡みなんかを丸ごと愛せるレベルでなければ、管理人は環境屋をやっていけないようにも思う。ただ、これは別に無理に愛を作り出している訳ではない。愛とは何か。これは、考えること、思うこと、想像すること、形にすること、すなわち思想だと思う。  哲学がフィロソフィア、すなわち知を愛することであるように、愛とは原動力である。そして、哲学という営みの根本にあるのが人間の考えるはたらきであるならば、愛は人間の思索であり思想だろう。何かを考えているとき、そこには何かしらの愛が発生するのではないだろうか。  もしそうでなければ、その時には人間として精神的な危機の状態にあるのかもしれない。何かを積極的に考えて想像することは、人間に特有の行動だ。その原動力が愛なら、愛がなく限りなく機械的な情報処理に近い思考は、人間的ではないだろう。それはおそらく、ほとんど受け身に何かの様式に則って考えている、もしくは生物としての本能に従ってプログラム的に動いているに過ぎないのだろう。  そして、そのような思考を形にすることで、愛はきっと確立される。思考といっても、思想として纏まらない考えや、自分の中に秘めている想いというものもあるだろう。それらが全くもって愛ではないとは言えないとは思うが、やはり何かしらの表現によって形にしなければ、対象に示すことができる愛にはならないのではないだろうか。  愛には形がある。それは、思想を思想として表現できるということである。もし表現できない思考があったとしたならば、それは場合によっては恋なのかもしれない。恋は一方的だ。そして、形をとらない思考、すなわち原動力の源は高カロリーなエネルギーに近いのではないだろうか。恋とは動力源であり、エンジンに対するガソリンである。それ単体では危険で、扱いづらい。しかし、爆発的な可能性も持っているのだろう。  以上から、愛とは思想であり、地球環境と生物のために考えている管理人の愛はやはり地球規模である。1人の人間として、愛していたいと思うし、愛されたいとも思う。贅沢を言えば、誰かの思想を、愛を尊重したいと思うし、自分の思想も誰かに大切にされてほしいと思う。 __________________ ...

日記:成人式2025

 二十歳の集いもとい成人式に行った。年々、行事ごとに対する緊張感というか実感が薄れていくのでどうだろうと思っていたが、案外楽しいものだった気がする。もともとは、課題も期末テストも終わっていないのに実家に帰ることは考えられず、また写真撮影は夏の帰省で済ませたので、成人式には出席しない予定だった。しかし、住民票を移しているほうの自治体から案内が来たので、式典だけでも行ってみるかと思って参加した。  会場周辺には、色とりどりの振袖や華やかなスーツ姿の新成人が溢れている。管理人は、バイトなどで意外と活躍している、入学式の時のスーツで会場に入った。式典は(おそらく)ごく普通のものだった。自治体の歌のようなものがあって面白かった。大学に入学してから住み始めた地域なので当然ながら知らなかったが、なにやら明るいいい歌のように思えた。いや、そもそも帰省せずに大学の方の自治体の成人式に出る方が珍しいかもしれない。相変わらず一人だったが、周囲の祝賀ムードを半分他人事のように眺めながら、これも一生に一度か、と思った。  進学や就職を期に転出していた人も多かったのだろう。式典が終わった会場内は、再開を喜び合う声で溢れていた。管理人はというと、正直なところ、それを恐れて地元の成人式に行かなかったところがある。小学校時代の同級生は、おそらく半分くらいが就職して、立派に働いているのだろう。親に学費を出してもらって大学に行っている分際で、課題も終わらせずに彼らに会うことはできないと思った。  これはただ個人の信条だが、そもそも管理人はあの狭いコミュニティのアウトサイダーであったため、いまだに何となく輪に入るのが気まずいという面もある。それに、小学校時代の管理人は未熟者で世の中のことがよく分かっておらず、皆様に多大なご迷惑をかけてきた。よく泣いていたし、空気を読めずに場を乱していた。それも管理人としては、まだ反省しきれていない。それが申し訳ない。いや、あの頃の管理人はもはや存在しないし自分でも理解ができないし、過ぎ去ったことでもあるので謝罪なんて不可能なのかもしれない。だから、今は彼らに会わないことが管理人なりの償いだと思う。  一方で、なぜか地元の成人式に出席していた管理人の親から、彼らの楽しそうな集合写真が送られてきた。小学校卒業以来ほとんど会っていないような人も居たが、全員顔を見分けられた。6年...

窓辺に於ける思考 解説など

 出窓はいいぞ。  どうもこんにちは、窓辺のマドロイドです。  「気分は上々106」で頒布した『窓辺に於ける思考』についての解説など。  まずは今年も、新年あけましておめでとうございます。今年もインターネットの端っこで活動する予定のこのブログを、どうぞよろしくお願いいたします。  ありがたいことに、なんとか昨年も本を出すことができました。相変わらずコピー本ですが、今回も楽しい本が出来上がっているのではないでしょうか。  では、各文章の解説に入る前に、題名や章タイトルの解説をしたいと思います。今回の本の題名は『窓辺に於ける思考』ですが、実は表紙の下にはエスペラントの題名も載っています。『Apudfenestra Pensado』ですね。意味は「窓辺の思考」なので、同じです。窓辺という単語は、いつもお世話になっている エスペラント辞書 のサイトで検索したけれど出てこなかったので、海辺(apudmara)という単語を参考にしながら「窓辺(apudfenestra)」という単語を作ってみたものです。エスペラントはこういうところが面白いですね。  章の題名は、今回は「幸福」「ユートピア」「夢」「未来」、そしてエッセイ「四季」になっています。前回の火星論では「宇宙」「世界」「フェンストーノ公国」「窓辺」でしたね。これは環境分野でもよく言われる虫の目鳥の目的な感覚をイメージしたものですが、今回の章タイトルは、明るく元気な感じにしてみました。(当社比)希望に溢れた内容の文章が多かったですからね。ええ。エッセイは、なんとなく集めてみたら四季が揃っているなと思ったので、そのまま採用しました。四季の感覚は現代日本に即しています……一応。  さて、ここからは各文章の解説です。 ・窓辺の幸福論  お前が幸福とか言い出すと雲行きが怪しい……というのは、火星論の最後の文章だった「環境屋と人生」とかをお読みになった皆様に思われているかもしれないなと思いながら書きました。なんというか、結局管理人は完璧主義で理想論者的な傾向があるのですが、なんとかこの世界で生きていくために、生活者ベースの判断で妥協しているというところがあると思うんですよね。まあ人生、結局そんなものなのかもしれません……少なくとも管理人にとっては。  あと、「実践真則」とか「真則(Verego)」とかいう謎の用語が突然出てきましたが、...