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ヨーロッパの農業

 削ってけ?(氷河)

どうもこんにちは、地理選択マドロイドです。

ヨーロッパの農業の話。


 広いヨーロッパでは、地域ごとに様々な形態の農業が行われています。情報量が多いですが、その決定要素から考えていくことで単なる暗記ではなく、考えて理解し、記憶に定着させることができると思います。そこにオヒレハヒレを付けて芋づる式に記憶し、それを横でも繋げることができれば、さらに理解が深まります。それでは語りが始まります…。


 まずは、降水量と気温です。殆どの地域は、北から南に向かって寒くなる、という理解で大丈夫です。(あとは大陸内部に行くほど寒くなります。)

 この例外の代表はイギリスで、中学地理でも勉強するので有名だとは思いますが、緯度が高い割に、横を暖流(北大西洋海流)が流れており、その上を偏西風が吹いているために温暖で、一年中降水があります。そのためガーデニングが盛んですが、同緯度に比べて温暖なだけなので、北部などは小麦ができないために混合農業ができず、酪農がメインになっています。紅茶にクリーム入れないといけませんしね(逆)。

寒い所(英、北独、典、から北あたり)は氷河期に土が氷河によって削られたために痩せた土地の国が多く、そのような理由でイギリス以外の国でも酪農が盛んになっています。また、低湿地のオランダ(ホルスタインの原産)や山地が多いスイス(アルプスのチーズ)なども、酪農が盛んです。

ドイツも寒くて北部では混合農業ができない国ですが、この国は酪農があまり盛んではありません。寒さに強い作物である大麦やジャガイモ、家畜は豚を育てています。酪農(牛)は、商品にするのに時間がかかるので豚が好まれたようです(ソーセージが有名ですね)。ジャガイモは多くが豚のエサになるようです。大麦なのですが、やはりビールに加工されてきた(ホップも寒さに強い)ので、ビールが有名で国民も好んで飲んでいます(オクトーバーフェストとか)。

 暖かい所ではどうかというと、基本的に混合農業をやっています。生産性が高いので、本当は皆これをやりたいのです。前述のような理由でできない所もありますが…。分布は西岸海洋性気候に多く、ここの土は褐色森林土で穀物の連作はできない(小麦は米より多くの養分が必要)ので、家畜の排泄物を肥料にする混合農業が編み出されました。中でもフランスはヨーロッパ屈指の農業国として、小麦の栽培や輸出で有名です。

 もっと暖かい所はどうかというと、古代の農業(二圃式農業)とそこまで変わらない形式(地中海式農業)で農業をします。夏乾燥するので果樹や乾燥野菜(夏野菜)を植え、乾燥に適応した羊を育てます(羊は湿潤な気候では腐ってしまうそうです。生きた羊が)。小麦は冬小麦です(冬の降水を利用)。混合農業より生産性は低いですが、最近は温室を活用した多収穫の農業などが始まっており、その一大普及地として有名です。

 だいたいここまでで、降水量と気温との農業の関係を押さえました。


 次に、土です。「西岸海洋性気候」と「地中海性気候」の二つで農業の特色を押さえます。アルプス山脈が分かれ目です。

 先ほど西岸海洋性気候は褐色森林土なので肥料がないと穀物を連作できない、という話題が出ましたが、ヨーロッパでも主にフランス~南ドイツ~ハンガリーに分布する「レス地帯」はとても肥沃なため、混合農業が特に盛んです。

このレスという土は、イギリス含む寒い地域での農業で出てきた"氷河期に土が氷河によって削られた"という話に関係しています。氷河期には氷河が北から南に、地表の土を削りながら広がりました。このとき削られた土が「モレーン」で、それが風で飛ばされた風積土が「レス」です。なお氷河は北緯50°以北ほどまで広がっていたと言われているので、その地域は現在も痩せた土地であることが多いのです。

 地中海性気候ですが、やはりここのアイデンティティーは暖かいことであり、よって前の段落で上げた地中海式農業にあたります。また、暖かい気候を生かし、灌漑を利用した稲作を行っている地域もあります(イタリアのリゾットとかスペインのパエーリャとか)。

地中海沿岸地域の土は間帯土壌の一種である「テラロッサ」と呼ばれる赤色の土が多いです。これは石灰岩が風化した土で、果樹が栽培されます。また、局地的なものではありますが、イタリアのシチリア島には火山があり、火山灰に含まれるミネラルが豊富な土があるため、ブドウの栽培が盛んになっています。

 ここまでが土壌と農業の関係でした。


 ここからは番外編、というかオランダとウクライナ編です。

 まずオランダですが、この国は某テーマパークでも有名なように、風車が多くあります。これはなぜかと言うと、この国はもともと狭かった国土を広げるために海の水を排出(干拓)して陸地を広げてきた歴史があり、そのため海抜が0m以下の場所が多いからです。風車の動力で常に排水しないと水が貯まってしょうがないのです。なおこの干拓地を「ホルダー」と言います。さらに、オランダは砂丘も多いため小麦だなんだという騒ぎではなく、そもそも農業土地が限られているというハンデがあります。

水が貯まるという問題については、酪農を行うことで対処しています。ホルスタインなどの乳牛は暑くなるとサボりだすらしく、その点オランダは冷涼湿潤なので牛には最適な環境です。農業土地が限られている問題については、収穫性の高い野菜を集約的に栽培することで解決しています。日照時間の短さもLEDを活用した屋内栽培でクリアしており、こうして育てた野菜を周囲の国の都市に売っています。このような農業を園芸農業といいます。ちなみにイモ類、野菜、肉類、乳製品の食料自給率は、ヨーロッパの主要国の中でもフランスやドイツを抜いてトップです。なお、砂の多い土は花卉栽培に向いているため、チューリップを始めとした園芸植物の栽培も盛んです(チューリップバブル?なんのことかな…)。

 次にウクライナですが、この国は(大学受験界隈地理選択勢にとっては)「チェルノーゼム」であまりにも有名です。チェルノーゼムとは黒土の呼び方の一種で、他の地域では北米で「プレーリー土」、南米で「パンパ土」などの名前でも呼ばれます。黒土は草原を中心に分布し、降水量が少ないので降水による養分の流出がなく、大量に腐食質を含んでいる肥沃な土です。生産性が高いので農耕地としての利用がさかんです。しかし、土の段落で紹介した「レス」とは別物なので注意が必要です。レスは中国での呼び名である「黄土」からも分かるように、黄褐色をしています。黒土はその名の通り黒いので、ここで分けて覚えるとよいです。

 この2国は模試などでも出がちなので、個別に押さえておくとよいと思います。


 長々と語りましたが、以上がヨーロッパの農業の概要です。この分野は大問ひとつで出たりしますが、地形や気候、土による大まかな区分ごとの特徴と地域性の出る地方の特徴を理解すれば、効率的に勉強できます。歴史と絡めるとさらに面白くなります。地理はいいぞ。


〔今日の英訳〕

There are various forms of agriculture in each region in Europe because of its large area size.

(広いヨーロッパでは、地域ごとに様々な形態の農業が行われています。)


それではまた。

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