スキップしてメイン コンテンツに移動

逆走LIMBO

 Let's go to 辺獄。どうもこんにちは、マドロイドです。

このところ「LIMBO」というゲームをプレイしていて、ようやくクリアできたので感想と考察です。ネタバレを含むので注意。


 まずこのゲームの名前である「LIMBO」から見ていきます。色々なサイトに出ている通り、これは「辺獄」という意味の英単語です。ただ、Playdeadはデンマークのゲーム会社らしく、そのデンマークはデンマーク語が公用語です。よってデンマーク語で調べることも考えたのですが、「Playdead」が「死んだふり」という英単語であることもあり、英語で翻訳しました。

続いて「辺獄」ですが、これはキリスト教で洗礼を受けずに死んだ子供が行く地獄、罪は犯していないけれど原罪を背負ったまま死んだ子供が行く地獄らしいです。なおキリスト教でいう原罪は、アダムとイブがリンゴを食べた、とかあの辺りの話です。そんな昔の話を次世代の子供にも背負わせるのは理不尽も極まりない感じがするというか、エデンの恨みを地上で返すと言うか。キリスト教の事情を「聖☆おにいさん」レベルでしか知らないので、発言に責任が持てないことをご容赦の上でお読みください。新約聖書は一応読みましたが、メジャーな所と鳩の屋台を蹴散らした所と魚がたくさん取れた所、あとは油を掛けられている所くらいしか覚えていません。申し訳ない。

なお「辺獄」について思ったことですが、なんとなく「賽の河原」に似ている気がします。賽の河原は仏教の話ですが、最大の共通点として、死んだ子供が行く所という所があります。他にも「辺獄」が天国と地獄の間にあると言われる一方で「賽の河原」が現世とあの世の間にある「三途の川」の河原にあると言われているのは、この2ヶ所の存在に何処にも属していない場所という共通点があるように見えます。また、どちらも子供が行って苦しむ場所であり、そのうち救いが来ることになっているという設定も似ています。

しかし、この3つの共通点は日本人である僕がキリスト圏の国のゲームをプレイしたからこそ、何となく浮かんだ関係にたまたま合っただけなので、信憑性はゼロです。どちらかと言うと、どこの世界の宗教の作者にも似た発想があっただけのように思えます。

結論としては、題名の「LIMBO」はキリスト教において「原罪を背負ったまま死んだ子供が行く所」である「辺獄」です。よって、主人公とその妹は恐らく洗礼を受けていないのではないかとも思われますが、キリスト教の宗派によっても洗礼の捉え方が違うらしく(デンマークはプロテスタントが主流のようですが)、個人によっても解釈が異なるので、もうよく分かりません。その可能性が高い、くらいの認識でお願いします。それに多分、この情報はゲームの考察には関係ありません。


 題名の考察に既に手こずっていますが、この日記の題名を一応説明しておこうと思います。そもそもこれは、僕がしようとしたゲーム実況のシリーズ名です。画面キャプチャーが出来ずに途中で諦めたので、調べても出てこないと思います。逆走と付いているのは、僕があらゆるゲームで逆走をしがちであり、その行動の正誤は問わずに積極的に逆走していこうと思ったからです。どんなゲームでも逆走は楽しいですよね。

なおゲームシステム的に逆走させられる場面もいくつかあり、そもそも逆走できないステージも多かったのですが、無駄な事をしている感じが素晴らしく人間的で楽しいのでお勧めできません。


 次に、大まかなストーリーについての考察です。スマホ版でプレイしたためか見ることが出来なかったのですが、公式の説明によると、主人公は妹を探しにLIMBOに来たようです。なお主人公については「運命に逆らい」ともあります。

ゲームを最後まで進めると妹らしき人間に出会えるのですが、そこまでが問題です。

この主人公は様々なステージを突破するために、各所でかなりの憂い目に遭います。というより、死にます。死にゲーとも呼ばれるジャンルなので仕方がないといえばそうなのですが、落下死や溺死から感電死、圧死、串刺しや八つ裂きまで豊富な種類の死に方があります。主人公が丸腰な上に子供なので、本当にすぐ死にます。逆に、詰んだ時には死んで簡単にリセットできます。なぜこの主人公はこんなに死ぬのかという考察は、またそのうち語ると思います。

この問題を乗り越えての再開なのですが、どうも違和感があります。これも多くのサイトで言及されているポイントなのですが、①主人公が進んできた世界は辺獄なのか、妹が居る世界は辺獄なのか、そうでなければどこなのか ②主人公と妹は生きているのか死んでいるのか が不明な主要の要素であり、この解釈も様々です。

個人的には①について、主人公が進んできた世界は辺獄であると考えます。寧ろ、その前提でここまでの(主に題名の)考察をしているので、そうしないと自分の理論が噛み合いません。しかし、最後のガラスの様な物を突き破った先、妹が居る所に関しては、どういった場所かはよく分かりません。ただ、世界を隔てる境界に川なり門なり「分かれている」概念としての区切りがあるのはよくある事なので、辺獄ではない別の世界ではあるのではと思います。

②については、①よりさらに考察が難しくなります。情報が無さすぎることとメタ思考をどこまで導入していいのかの加減が分からないからです。「運命に逆らい」は主人公そのものの話なのか主人公の行動の話(≒妹の所に会いに行く)なのか…。前者の場合、主人公は生きているのに辺獄に来たとも、死んで地獄か天国に行かないといけないのに辺獄に来たとも考えられます。そもそもこれも、どの場面を指すかが不明瞭なので、判断をしかねます。


 と、こんなことを書いてきましたが、なぜかフリック入力がフリーズを繰り返すので、この辺りにしておこうと思います。続きはまたいつか。


〔今日の英訳〕

I would like to start from describing about "LIMBO", the title of this game.

(まずこのゲームの名前である「LIMBO」から見ていきます。)


それではまた。

コメント

このブログの人気の投稿

火星論 解説など

 火星引っ越しセンター。 どうもこんにちは、新年明けましてマドロイドです。 「火星論」に収録した文章の解説など。 問い合わせページはこちら↓ 火星論 問い合わせページ  まずは皆様、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。 2024年の一本目ですが、昨年末に出した本の話からスタートします。去年の夏に突然思い立って作った本ではありますが、なんとか完成しましてコミックマーケットに持っていくことができました。紆余曲折キリモミ四回転半くらいしながら書いていましたので、作者的な裏話を書いていこうと思います。あとがきを書けよ……という話ですが、なんとなく個人的に本に載せたくはないんですよね。あとがきは口語調で書きたいのですが、あの本は評論ということで文語調に統一して書いたので、二つの形式を混ぜたくなかったんですね。でも黙っていられなかったのと、あとがき自体は好きなのでここに書きます。これはコミケの前から書いていたので、新年早々の文章投稿のはずなのにクリスマスが云々とか書いてある所もあるのですが、そういうことです。 ということで、以下あとがきと解説と蛇足 ・火星論  やっと文章にできました。高校の友達には散々話していたことですが、文章にするとおとなしい理論になってしまいましたね。着地点はそこなんですよ。夢を見ててもここは地球なので。あと、食料自給やCO2排出の観点から人口の収容限度を計算したデータがいろいろあるわけですが、古いものだと普通に現在の人口が限度を越してるものもあります。これに関しては化石燃料の埋蔵量のようなデータにもみられるように、いわゆる技術革新などによってキャパシティが広がっているという側面があるのでしょう。まあ、現在の人口を完全に涵養できているかというと、貧富の差などの問題によりそうとも言い難いのですが。ちなみに食料問題に限って言えば、ミレニアム開発目標的は達成できています。ただ、あの結果は世界平均であり、アジアでは大きく改善されたけどアフリカはそんなでもない……というのが一枚めくった結果だったりします。難しいですね。あー火星に移住したい。  ・三日月教  リライトです。なるべく読みやすくなるように頑張りました。そもそも、この本はブログのリライトを中心にする予定だったのですが、結局これとバーチャル美少女とトランスサイエンス、あと環境屋以外

ブログのすすめ

 sesdek! どうもこんにちは、ブロガーマドロイドです。 なんとなくおめでたい話。  このブログの投稿が遂に60を超えました。初投稿が2022年の3月らしいので、今年の3月で2周年になります。もう2年も経ったんですね。この頃は時間が経つのが本当に早い気がするし、大学受験期~入学~学年末もほんの一瞬で過ぎ去っていったような気もするのですが、過去を過去として見ると遥か彼方にあるように感じられるようにも思います。……いや、この前まで高校生だった気がするな。 昔のブログを見返すと、やたらと読点が打ってあります。スマートフォンで編集していたので同じ長さの文章でも短く感じられていたのもあるかもしれませんが、それにしても読みにくいですね。この状態で本を作らなくてよかったです。文体も初々しい感じがします。文法は分かるけどしゃべり慣れてない外国語を使ってる人みたいですね。これは、この2年で文章の書き方が改善されたという技術的な問題と、書くという行動そのものに慣れたことが要因な気がします。書けば書くだけ変わるものですね。 とはいっても、まだまだ改行の仕方も定まりきらないし、もっと分かりやすい文章を書きたいし、結局は修行あるのみです。でも、レポートや発表の原稿を書いたり何かを説明したりした時に「文章が上手い」とか「読みたくなる文章だ」とかいうお褒めのお言葉をありがたくも頂戴することがありまして、こういうのは素直に嬉しいです。これからも色々書いていきたいです。  あとは、考えを文章として出力する精度が上がったように思います。順序だてて話を進めたり構成を考えて相手に伝わりやすいように工夫したり、といったようなことは、以前よりも意識できるようになりました。そもそもこのブログは小論文対策として始めたところがあるのですが、長い文章を集中して作成する持久力に加えて説明のスキルが(多少は)付いたということは、自分でも目論見通りというか、ある種の成功要素だと思います。これは大学でレポートを書くのにも大いに役立っているので、学生がブログを書く利点は多いと思います。 ブログと言うと何かしらのトラウマを思い出したような顔をする大人も居ますが、個人的には黒歴史を恐れるべきではないと思いますね。Twitter でも Instagram でも、伝統的な所では個人サイトでもいいのですが、場所はともかくインターネッ

窓辺の旅行記2024夏 名古屋編2 名古屋市科学館・特別展「毒」

  いつかは毒とか持ってみたい。 どうもこんにちは、無毒マドロイドです。 今回は名古屋市科学館と特別展「毒」のレポートです。  「窓辺の旅行記2024夏」、第二回目に紹介するのは名古屋市科学館です。建物二つに球体のプラネタリウムが挟まれたような独特の見た目で、写真で見たことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は特別展のほか、(あまり時間がなかったけど)常設展も見に行ったので、この二つについて書いていきたいと思います。 名古屋市科学館-Googleマップ 〈毒とは何か?〉  「毒」は、令和6年7月13日から9月23日まで開催中の特別展で、そのまま「毒」がテーマになっています。身の回りの毒、意外な毒、そして毒とは何か、毒と人間の関係性、などについて、実物の標本や模型を交えながら解説されています。チケット売り場でまあまあ並んでいたので、クレジットカードを使える方にはチケットの事前購入をお勧めします。チケットを購入して、僕は荷物をそのまま持ってきていたのでコインロッカーを使おうとしたのですが、探してみて驚きました。  周期表?!……ではないようですが、元素記号が並んでいます。いやはや、こういう遊び心はいいですよね。科学館という場所にいるワクワク感が高まります。好きな元素記号のところに入れたいところですが、管理人のバックパックはちょっと入りませんでした……ですが、ご安心ください。これはコインロッカー(小)でして、他の場所にちゃんと中と大もあります。お金が返ってくるやつでよかったですね。管理人が使っているのはコールマンのシールドシリーズの、確か35リットルのやつですが、中のロッカーにおみやげの袋と一緒に問題なく入れられました。  特別展の会場は地下なので、階段を下りていきます。初っ端の「ご挨拶」から既に素晴らしいですね。この会場は一部を除いて写真撮影が可能でしたので、ここからも写真を交えつつ紹介します。  まず来場者を出迎えてくれるのは、チョコレートとアルコールです。そう、この世界は毒に溢れています! 『酒に含まれるアルコールも神経毒の一種です。』いやー素敵ですね。視点を変えればあれも毒、これも毒。みんな毒って大好きですよね。毒は生命の機械的な部分にぴったりとはまる武器であり、それゆえに美しく、また同時に危険です。綺麗なものと危ないものには魅力がありますからね