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【The Backrooms】Kの記述

  チュートリアル。

どうもこんにちは、始まりのマドロイドです。
「The Backrooms」の小説、第一話です。

 この小説は、「The Backrooms」をもとにした二次創作です。この小説もまた、フェアユースです。
http://backrooms-wiki.wikidot.com

このブログは、この小説シリーズに限り「窓辺の旅人雑記帳」ではなく、広瀬敬吾のブログ「Kの読書日記」になります。広瀬は大学生で、バックルームに迷い混むまではブログで読書記録をつけていたようです。それでは始まります……。



「Kの読書日記」


 ようやくインターネットに接続できる環境にたどり着くことができた。久々のブログ更新になるが、訳あって一般公開はできない。
実はネットの世界だけではなく、現実世界でも俺は行方不明になっているはずだが、家族に連絡することもできない。俺は今、 The Backrooms……裏側の世界に迷い込んでいる。とにかく、別の世界にいるのだ。このブログでは、後の人に情報を書き残すと言う意味でも、俺が放浪者として辿ってきた道程を記していこうと思う。
 ところで、この世の中に「The Backrooms」について知っている人はどれだけいるのだろうか。
この世界の裏側、果てしなく続く恐怖と狂気の空間、……俺は、そんなバックルームに迷い込んでしまった人間の一人だ。18才、ごく普通のどこにでもいる大学生で、……そう、あれは5月の、新生活にもようやく慣れてきたような、そんな時期だった。

 俺はあの朝、少々寝坊をしてしまい、急いで支度をすることになった。一限が8時40分からで家を出たのが8時半前だったから、走ってギリギリ間に合う時間だ。
とにかく教科書やパソコンをリュックに詰め込み、弁当を作る時間はもちろんなかったので水筒に水だけを入れてから、帽子を掴んでアパートを飛び出した。
道路に降りる階段を駆け下り、最後の二段から飛び降りた瞬間、奇妙な浮遊感……足を踏み外した?空中で体勢が崩れた?実は三段あった?……周囲の音が遠退き、景色はスローモーションのように流れ、灰色の地面が近付き、パニックになりながら俺は左手を伸ばした。
骨折するか?捻挫で済むか?痛みを覚悟したその時、左手は地面をすり抜けた。その状況を確認する間もなく視界が乱れて黒く塗り潰され、閉塞感の中、落下し続けながら俺は意識を失った。

"If you're not careful and you noclip out of reality in the wrong areas, you'll end up in the Backrooms, where it's nothing but the stink of old moist carpet, the madness of mono-yellow, the endless background noise of fluorescent lights at maximum hum-buzz, and approximateⅼy six hundred million square miles of randomly segmented empty rooms to be trapped in.
God save you if you hear something wandering around nearby, because it sure as hell has heard you…" 

 目覚めると、頬にザラザラとした、それでいてじっとりと湿った、気味の悪い感触を覚えた。俺は黄色いカーペットの上でうつ伏せに倒れていたようだ。幸い左手は無事で、俺が下敷きになったおかげでリュックの中身も問題なさそうだ。
カーペット?
俺は飛び起きて、その勢いとリュックの重さで後ろにひっくり返ってしまった。ガシャ、とリュックが音を立てる。恐る恐る辺りに視線を向けると、そこは俺が着地しようとした道路ではなく、黄色いカーペットに黄色い壁紙、そして黄色い天井、……ただそれだけの場所だった。
ふらつく足で立ち上がり、眩暈のような不快感と耳鳴りをどうにか抑えて周りを見渡した。何の気配もなく、誰もいない。何もない。ここは、どこだ?病院ではないし、誰かの家でもない。誘拐?まさか。拘束もされていなかったし、リュックもちゃんとある。壁にはドアすらないし、閉じ込められている訳でもなさそうだ。思考がぐるぐると巡っていた。
仕方がないので、出口を探して歩き始める。スペースは壁で不規則に区切られ、薄暗い廊下とも部屋ともつかない空間が、ただ次から次へと現れた。耳鳴りだと思っていたのは蛍光灯が立てる鈍い音らしく、やけに大きく響いて不快感だった。この空間は、どこまで続いているのだろう。
 ここで、俺はようやく一限の授業のことを思い出した。とにかく遅れるのは確かなので、先生に連絡をしなければならない。スマホを取り出そうとして、家で充電したままにしてしまっていることに気付いた。予備のバッテリーしかない。なんてことだ。
仕方なくパソコンを取り出した。腕時計を確認すると、午前8時34分を指していた。……いや、おかしい。家を出てから道路に飛び降りて、俺はそこから気を失っていたはずだ。よく見ると、デジタル表示の秒針は止まっていた。こんな時に電池切れか。そう思ってパソコンの画面を確認したが、日時を表示していたはずの場所には、何も表示されていなかった。パソコンを閉じる。開く。シャットダウンする。電源を入れる。何を試してもダメだった。
これは、通信障害とか何らかの不具合かもしれない。そもそも、メールを送るにも何と書けばいいんだろうか?急いで家を出たら黄色い部屋に迷い込みました……。そんなことは信じてもらえないだろう。
どちらにせよ、このままなら欠席は確定だ。昼からの三限には間に合うだろうか。半分諦めるような形で俺はパソコンを片付け、また歩き始めた。
しかし、行けども行けども黄色い部屋と雑音が続き、進んでいるのか戻っているのかすら分からない状況になっていた。苛立ちと空腹、焦燥、不安。蛍光灯のちらつきが鬱陶しい。結局、歩き疲れて座り込み、そのまま寝てしまった。

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