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気候変動政策と功利主義

 炭素排出量削減と幸福?

どうもこんにちは、幸せなマドロイドです。

とある論文について。


 先日、「Science Daily」でこんな記事を見つけました。

Science Daily Utilitarian approach to global climate policy improves equity, environment and wellbeing

要するに、「地球規模の気候政策のための功利主義なアプローチは、平等、環境、そして幸福を改善する」ということです。アプローチの訳って難しいですね(諦めた)。

炭素排出量の削減うまくいってないよね、難しく考えすぎなんじゃないの? ということで、国ごとの目標を幸福の最大化の視点で考えよう、ということらしいです。論文の題名としては「 Utilitarian benchmarks for emissions and pledges promote equity, climate, and development」で、2021年の論文ですが、2年くらいで解決はされていないだろうということで。


 複雑な……というか、様々な個別の概念や基準が意見の対立を引き起こしてきたのは確かでしょう。よく言われるところでは、経済発展しきっていない開発途上国にも負担を負わせるのは不公平じゃないか……とか、先進国が工場を海外に移転して自国の排出量は減らせたけど地球全体で見たら増えてる……とかいう話です。

それを幸福ベースで考えよう、ということなので、どちらかというとベンサム的な感じがしますね。ちょっと大学がアクセス権を持っていないらしいので、本文にリンクできないのですが、概要を見る限りは株式の基準に有益な情報をウンヌンとかいうのが目的のようです。経済の話はちょっとよく分かりません……夏休みに勉強します。ただ、GDP基準だとそれこそ分かりやすく貧富の差が出てしまうだろうというのは理解できます。

で、功利主義的な幸福を基準に据えることについてなのですが、概念としてはよさそうですが、最終的には炭素排出量という具体的な数値について考えるために必要な基準になるんだろうか?という疑問はあります。あくまで考え方だけなのか……「一種の基準」という記載はあるんですよね。ベンサムは幸福の総量を計算できるように基準を考えだしましたが、それをそのまま使うわけにもいかないでしょうし。

確かに「幸福」は分かりやすい指標に見えるんですが、功利主義は直感的な割にそうでもなかったり、幸福の総量基準の目標を実際に実現させようと思ったらまた現在あるような問題が発生するんだろうな……という感じがしたり。おそらく、理念としてというか、削減の理論や基準決定の公平性を担保することはできても、それを基準として使うことはできないんだろうなと思います。幸福の量とかいうものがキッチンスケールで量れるようにならない限りは。

と思ったのですが……これまた詳しいことはよくわからないのですが、どうもコンピュータモデルで幸福を最大化する排出量削減の配分が計算できたらしいです。本文が読めないので今のところはただただ謎ですが、どうにかなるものなんですね……どうやったんでしょうか。

しかし、そうなってくると、これまでの金銭ベースの対応よりは貧しい国への対応がまた別な方向で考慮されるようになるでしょう。それを分かりやすく示せるのは、基準が「幸福」だからであるというのもあると思います。排出量削減の恩恵を受けるのが世界の貧困層や将来の世代である点を計算に入れられるのが、功利主義的分析の利点と言えるでしょう。今後は、経済ベースだけでなく、このような人間の幸福を考慮した考え方が多く採用されていくんじゃないでしょうか。もちろん、生物多様性はその大前提ですが、それはまた人間の幸福に繋がるんですね。

 と、悠長にブログを書いていますが、全国の大学生同様、当方も絶賛テスト期間です。とある科目の最終レポートが終わりません。参考資料を探して論文を漁っていたら一日終わっていました……どうにか使えそうな情報が見つかったのでよかったです。

テストは来週までなので、また夏休みが始まったらお会いしましょう。すでに予定がいろいろあるので楽しみです。……それまでどうにか頑張ります。皆さんの健闘をお祈りしています。


それではまた。

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