高3のこの時期にカミュの「異邦人」を読んで以来、夏になるとあの本を読みたくなる。とにかく描写が好きだ。フランスのからっとした明るい夏、サラサラしたベージュに透明な青が転がるような真昼、やわらかい暖かさの中で深い青にオレンジが灯る夜。フランスいいな。いつか行ってみたい。主人公にも共感できる。人間ってわかんないよな。そういう気負わなさとあの美しい描写のおかげで、なんとなく癒される話だ。
フランス、夏、海、といえば、中学生の時に「悲しみよこんにちは」も読んだ。あれは12歳には刺激の強い話だったし、ちょっと眩しすぎた。人間の複雑な情熱を理解しきれない。理解するものではないのかもしれないし、そういうものだと捉えれば受け入れられるのかもしれないが、別に積極的に受け入れようとも思えない。理解できないものを把握はするし、形式的に知る必要性は認めるが、わざわざそのために自分が変わろうとは思わない。いつか自分が変わって理解できるようになったなら、それはそれでいい。
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